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山浦幸一郎さん一家地域と畑のこれから

飯綱町と会社の将来を見据えて若手農家を支えながら農業を推進

山浦幸一郎さん一家地域と畑のこれから

飯綱町と会社の将来を見据えて若手農家を支えながら農業を推進

山浦幸一郎さん・志のぶさん

アップルファームさみずの前身、アップル三水新流会の立ち上げメンバーである山浦幸一郎さん。長く複合農業に取り組み、現在は妻の_志のぶさんとりんごを中心に土壌改良にこだわった農業を実践。新わい化栽培などにも取り組む。合併前の旧三水村を含める3期10年余り飯綱町の町会議員も務めた。

飯綱町と会社の将来を見据えて 若手農家を支えながら農業を推進

信念をもって続けてきたから今がある

もともと稲作と畜産、果樹を組み合わせた循環型の複合農業に取り組んできた山浦幸一郎さん。現在はりんご畑の面積が大きくなり、早期多収で省力化が図れて誰にでも取り組める長野県果樹試験場開発の新技術「新わい化栽培」も取り入れた農業を行っています。

そんな山浦さんは、アップルファームさみずの前身であるアップル三水新流会の立ち上げメンバーのひとりとして、会を支えてきました。
「立ち上げた当時は世の中が完璧な農産物しか求めない風潮だったから、農薬や化学肥料を使った農業が一般的でした。減農薬農業なんて誰も考えていなかったよね。だから、周りの農家は賛成はしていなかったと思います。それに、実際、黒星病などの病気が発生して、隣の畑まで蔓延してしまったようなこともありました。それでもお互いに理解をしながら進めて来られたから、その後はJAでも生協出荷を考えるようになったし、減農薬部会を立ち上がるようにもなったよね。時代の流れを見たら私たちは結果を出せているし、特別栽培農産物の基準を満たしているから、付加価値が付いてほかの農園との差別化ができています。それによって、いろいろな業者にアクションを起こせるのが私たちの強みだよね」

農業振興で地域を守る取り組みを

そんな山浦さんは、地域の農業振興を訴え、長く飯綱町の町会議員も務めてきました。最近ではアップルファームさみずの取り組みもあって、町として環境にやさしい農業を手がけるイメージが根付きつつあることから、そのイメージを観光と合致させれば町の集客力が高まるのではないかと考えています。

「飯綱町にはいいづなリゾートスキー場という観光地がありますが、ふもとの飯綱東高原のペンションや民宿はどうしても冬場の稼働が中心で、オールシーズンの宿泊者が見込めません。でも、それらの民宿と私たちが連携し、農業体験と宿泊をセットにした農家民宿などができたら、新たな観光客が見込めるのではないかな」 そのためにも、担い手であるアップルファームさみずの若い農家に期待をしていると言います。

「そもそもアップルファームさみずの原点は、常にお客さんと、顔と顔が見える関係にあることです。それに、農業のやりがいは『おいしい』と食べてくれるお客さんがいること。そんなお客さんがそばにいてくれるのはうれしいよね。アップルファームさみずでは、毎年、生協の組合員などとの交流会も行っていて刺激になるし、顔なじみになった人が_『プライベートでも遊びに来たい』と言ってくれるのもやりがいです。こういう関係性を、若い人たちが有効につないでいってくれたらうれしいよね」 そのうえで、山浦さんは会社や地域の展望をこう話します。

社長が替わり、ここ1~2年で組織は随分と変わりました。社長は全国各地で視察研修を行い、情報網もあります。役員をはじめとする若手の生産者の人たちも切磋琢磨しながら、農業に取り組んでいってくれることを期待しています。そんな姿が地域を守ることにつながると思っています。

畑を守り受け継いでいくこと

さて、「新わい化栽培」などにも積極的に取り組んでいる山浦さんですが、その農業のこだわりは土壌にあります。
「やっぱり、栽培で大切なのは『おいしいりんごを作ること』。この辺りの土壌は粘土質で乾きやすいので、肥料をいかに効果的に入れて土壌改良できるかがポイントです。そして、極限まで農薬を減らして病気を防ぐためには何をしたらいいのかを常に考え、周りの皆さんに教えてもらいながら見極めています」 こうしてできた飯綱町のりんご、特にふじは酸味と甘みとのバランスがちょうどよいことから、味覚においても他地域と差別化ができていると言う山浦さん。そんな山浦さんの畑を見渡すと、妻の志のぶさんが摘 果作業を行っていました。

「太陽の下で仕事ができるのが農業のいいところです。雨は何年経っても慣れないけど、風を感じながら仕事ができるのはうれしいですよね」 そう話す_志のぶさんとともに精を出す山浦さんですが、その励みになっているのは、後継者として名乗りをあげている長女の佳奈子さんの存在です。

「娘は今はシンガポールで輸出の仕事に就いていて、やりたいことをやっています。いつまで続くかわからないけれど、日本の生活と違う海外での経験はいろいろな面で肥やしになるだろうし、こちらのいいところも見直せると思っています。だから、そのためにも、私は畑をメンテナンスをしながら農業が続けられるように頑張っていかなきゃいけないね」

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